20131218

例会まとめ 『愛、アムール』



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 11月例会は北九州映画サークルでは初のミヒャエル・ハネケ監督作品、『愛、アムール』でした。如何でしたでしょうか。
 実は鑑賞対策部内でこの作品を候補とするにあたってかなり揉めました。
 作品として超一流なのは確信していましたが、夫が下す判断はどう受け止められるだろうか。現に介護をしている方たちには、見ていてつらいのではないだろうか。といった懸念もありました。
 しかしパルムドールや米国アカデミー賞など各国の賞を総なめにした作品が上映されてないという北九州の文化的不毛は嘆かわしいことで、好きか嫌いか、良いか悪いかは会員さんの判断に委ねるにして、このような作品を例会で上映するのも映画サークルの使命の一つではないだろうかという意見が勝り、例会候補となった次第です。
 とは言うものの反応に対してはやはり不安はありました。しかし参加率も過半数を超え、アンケート評価では「大変良い」と「良い」で合わせて76%にもなり、例会にして良かったとホット胸をなで下ろしています。
 観ていて楽しい映画も確かにいいのですが、今回のような作品の良さは観た後に語り合うことができる点です。
 この映画は全てにおいて明確な答えは出していません。答えは観た人の判断に委ねられています。
 ですのでサークル内などで是非語り合ってほしいですし、鑑賞対策部主催でシネマフリートークも毎月行ってますので、ご参加をお待ちしております。お気軽にお越しください。
 新聞、テレビなどで「介護疲れの果てに殺人」などのニュースを目にすることがあります。悲惨な事件だなあと、今までは冷めた想いを持っていました。
 しかしもしかしたらそういった事件の背景には当事者以外には分からない、このような愛の物語があるのかもしれませんね。





(北九州の泉 2014年1月号搭載)