20140123

例会サロン『スタンリーのお弁当箱』



stanley





 サークル代表者の世之介君がなかなか例会に来てくれないサークル会員のタマ子さんを誘っているようです。

世之介 ねえねえ、タマ子さん、例会に来てくださいよ。毎月会費を払っているんだから、観ないともったいないじゃないですか。
タマ子 うーん、そうなんだけど、なかなか忙しくてねえ。
世之介 忙しいって、よく飲みに行ったりカラオケに行ったりしてるじゃないですか!
タマ子 エヘヘ。まあ、そういうのが忙しいというか・・
世之介 まったく、もう。今月は来てくださいね。今回は『スタンリーのお弁当箱』というすごくいいインド映画なんですよ!
タマ子 インド映画? インド映画っていったら突然歌や踊りが入ってきたりする感じの?
世之介 まあ、そういうのがインド映画の王道だと思うんですけど、でも今回のはちょっと違うんです。
タマ子 ふ~ん、イケメンはでてる?
世之介 うっ・・ い、いや、イケメンはでてないかなあ。そのかわりすごくかわいい少年たちがでてきます。この映画は子供たちには映画撮影と知らせないで撮っているので、すっごく生き生きとした表情が見れるんです。
タマ子 へえ~、で、どんなストーリーなの?
世之介 家庭の事情で学校にお弁当を持ってこれないスタンリー君が主人公なんだけど、そんな彼を憐れむでもなく馬鹿にするでもなく、クラスメイトの友達はふつうに自分たちのお弁当をスタンリー君に分けてやっているんですね。しかしなぜかやはりお弁当を持ってこないで生徒のお弁当をつまみ食いするとんでもない男の先生がいて、自分の食いぶちが減ったのをスタンリーのせいにして目の敵にするんです。
タマ子 分かった! 生徒たちが団結してその悪い先生をやっつけるといった話ね。
世之介 いや、まだ小学生のスタンリーたちはただ逃げるだけというか・・     ただね、この映画、最後まで観てると、あっと驚きますよ。実はこういう映画だったのかと!
タマ子 え? どういう話になるの?
世之介 それは観てのお楽しみです。
タマ子 もう、気になるなあ。分かった。観てみる。 そうそう、コロナにはカラオケボックスがあるから観終わったら一緒に歌うわよ!
世之介 えぇーっ! まあ、例会に来てくれるなら仕方がないなあ。





(北九州の泉 2014年2月号搭載)