クラスナホルカイ・ラースローの小説を、『ニーチェの馬』などのタル・ベーラ監督が映画化。
ハンガリーの小さな村に死んだはずの男が戻ってきたところから始まる物語を、モノクロ映像で描く。
(1994 | ハンガリー・ドイツ・スイス | 438分)
監督・脚本:タル・ベーラ
出演:ヴィーグ・ミーハイ
映画界の孤高の巨匠、タル・ベーラ監督の伝説の傑作「サタンタンゴ」が製作から25年の時を経て、デジタルリマスターでついに日本で劇場公開されることになりました。
私はタル・ベーラ監督の信者で、「ニーチェの馬」は私が観た映画の生涯ベスト10に入ります。「サタンタンゴ」も前々から是非観たいと思っていましたが、映画館で観ることは不可能だと思っていました。
というのもこの映画、上映時間がなんと7時間18分もあるのです。それが今回奇跡のロードショー。一生に一度のチャンスです。福岡ではKBCシネマで2日間だけの限定上映でした。
コントラストが効いた白黒画面。不穏に奏でるミニマム音楽。常識を遥かに超えた長廻しのショット。観る人を選ぶ映画だとは思いますが、ひとたびこの異世界に入り込んでしまうと、いつまでも観ていたい、ずっとここに留まっていたいという至福の状態となります。
「映画は魔法」というのが信じられる数少ない映画です。